会社・事業の買収・売却に関する記事(第83回)がNNAに掲載されました

The Daily NNA Malaysia版(2021年12月22日)に、弊社代表が寄稿したマレーシアのM&Aに関する連載記事 第83回2021年11月および12月に発表された日本・マレーシア間の2件の買収案件について掲載されました。本記事では、プレニチュードによる大阪のホテル買収案件とサンコーシヤによるLVC社買収案件をご紹介します。

www.nna.jp/news/show/2278441

前回は、マレーシア初のユニコーン、カーサム社についてご紹介しました。今回は、2021年11月および12月に発表された日本・マレーシア間の2件の買収案件をご紹介します。

1.プレニチュードによる大阪のホテル買収案件

Plenitude Bhd(本社:クアラルンプール、以下プレニチュード)は11月30日、100%出資子会社のプレニチュード大阪を通じ、大阪にある14階建ての中規模ホテル「ザ・ワンファイブ大阪御堂筋」を9,747万リンギ(約26億5,000万円)で取得したことを発表しました。プレニチュードは00年11月に設立され、不動産開発、不動産投資、不動産管理など不動産関連の多様な事業を展開しています。

プレニチュードは、マレーシア証券取引所(ブルサ・マレーシア)に提出した書類の中で、プレニチュード大阪がいちご不動産(本社:東京)との間で不動産投資信託の株式100%を取得することで、条件付き売買契約を交わしたことを明らかにしました。不動産投資信託には、日本ライフクリエイター(本社:大阪)と三菱UFJ信託銀行(本社:東京)が出資しており、今回の買収対象となった「ザ・ワンファイブ大阪御堂筋」に投資しているとのことです。

今回の買収計画についてプレニチュードは、大阪は人気の観光地であり、ホテルは観光地や商業地区に近い本町に位置することから、同社グループへの貢献が見込めるとしています。同社は9軒のホテルを所有し、韓国でも「トラベロッジ明洞」に投資するなど、ホスピタリティー事業におけるカントリーリスク分散のため海外事業にも投資しています。

なお、これまでのマレーシア企業による日本の不動産関連の主な買収・出資案件は、10年のYTLコーポレーションによる北海道のリゾート施設「ニセコビレッジ」の買収(買収額約60億円)、16年のベルジャヤ・コーポレーションによる「フォーシーズンズホテル&レジデンス京都」への出資・開発(土地取得費用を含む総事業費約430億円)、17年のベルジャヤ・コーポレーションによる「ロイヤルガーデンリゾートオキナワ」の買収・開発(総事業費非公開)、18年のSPセティアによる「りんくう中央公園用地開発」の買収・開発(土地買収額15億5,500万円)などがあります。

 

2.サンコーシヤによるLVC社買収案件

12月2日、株式会社サンコーシヤ(本社:東京、以下サンコーシヤ)は、L.V. Control Sdn. Bhd. (本社:クアラルンプール、以下LVC)を買収したことを発表しました。サンコーシヤは1930年(昭和5年)に創業し、資本金9億7,500万円、20年3月期の連結売上高は159億4,200万円となっています。同社は、雷防護ソリューションと電気通信機製造販売事業を主要事業とし、落雷観測・落雷予測から雷被害のリスク診断や雷被害対策までを手掛ける総合雷防護企業で、電力・鉄道・通信事業から公共施設、一般家庭まで幅広い分野で活躍しており、日本国内に13社、海外に7社のグループ会社を擁しています。

同社のプレスリリースによると、今回の買収対象のLVCは雷保護製品・外部避雷設備製品の開発・製造・販売などを行っており、特にマレーシアの携帯基地局で使用される電源用SPD(避雷器)および分電盤・キャビネットで高いシェアを持っているとのことです。サンコーシヤは本買収を通じて、第5世代(5G)移動通信システムおよび高度道路交通システム(ITS)領域を強化するとともに、LVCを通じてサプライチェーン(調達・供給網)を整備し、東南アジアでの販売強化に重点を置く狙いがあるようです。

<プロフィル>

神林義之(かんばやし・よしゆき)、ラジフ・ラムザン(Razif Ramzan)

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