A serial article (vol.80) regarding M&A in Malaysia written by our CEO was featured on The Daily NNA Malaysia Edition. In this article, we will provide an overview of “unicorns” in Southeast Asia.
前回は、マレーシアにおけるソフトバンクによる出資案件をご紹介しました。今回は、東南アジアにおける「ユニコーン」の概要についてご説明します。ユニコーンとは、創業から10年以内、未上場で10億米ドル(約1,130億円)以上の価値を持つテック系の民間企業のことです。2013年、ベンチャーキャピタリストのアイリーン・リーが、成功するベンチャー企業の希少性を表すために神話上の動物を選んで作った言葉です。それ以来、米国のベンチャーキャピタリストの間でよく使われるようになりました。
東南アジア地域は、ベンチャーキャピタルやプライベートエクイティファンドから数十億米ドルの投資を受け、新しいユニコーンの拠点となりつつあります。以下は、米CBインサイツがまとめた東南アジアのユニコーンのリストです。

CBインサイツによると、東南アジアには近い将来に上場を予定しているインドネシアのIT最大手GoToグループ (配車・配送サービス大手ゴジェック)と電子商取引(EC)サイト大手ブカラパックを除くと、現在23のユニコーンがあります。シンガポールでは現在12社のユニコーンが活動しており、ベンチャーキャピタルファンドが利用できることから、ユニコーンの評価が高まるハブとなっています。次いでインドネシアが5社のユニコーンを擁していますが、同国は人口が多く、経済規模も大きいため、より多くの投資家を招き入れる環境が整っています。
決済プラットフォーム、送金、ローン、金融サービスを含むフィンテック(ITを活用した金融サービス)は、東南アジアの旧来の金融機関を急速に変えつつあります。東南アジアでは8つのフィンテック・ユニコーンが上場していますが、インドネシアのOVO(オボ)は決済・取引プラットフォームで、評価額は29億米ドルとフィンテック・ユニコーンの中で最大です。
<プロフィル>神林義之(かんばやし・よしゆき)、ラジフ・ラムザン(Razif Ramzan)