会社・事業の買収・売却に関する記事(第75回)がNNAに掲載されました

The Daily NNA Malaysia版(2021年9月1日)に、弊社代表の寄稿した「会社・事業の買収・売却 第75回 新規株式公開その3」が掲載されました。今回は、東南アジアの主要国の取引所と比較して見てみます。

http://www.nna.jp/news/show/2232694

前回はマレーシアの上場企業のうち時価総額が大きい順に20社を取り上げました。今回は、東南アジアの主要国の取引所と比較して見てみます。下記一覧表は、原則として2021年8月25日時点での情報(地域により基準日等に若干の違いあり)に基づいて作成しています。

その国に上場する全企業の時価総額とその国の名目国内総生産(GDP)を見ると、マレーシア、タイと日本はその規模は概ね1対1でリンクしています。が、シンガポールは時価総額の方が名目GDPの2倍近くなっていて、他国から多くの投資家を集めていることがこの表からもわかります。一方、インドネシアは逆に時価総額の方が名目GDPの半分以下、同様にフィリピンも時価総額は名目GDPの3分の2にとどまっており、これらの国では国の経済規模に比べて時価総額が小さいことから、まだ証券市場には成長の余地があることがわかります。

時価総額当たりの上場企業数で見ると、マレーシアとタイは逆に上場企業数が多くなっています。マレーシアの上場企業1社当たりの平均の時価総額は4億米ドル、タイは6億米ドルくらいである一方、シンガポール、フィリピンはそれぞれ9億米ドル、インドネシアが8億米ドル、日本が18億米ドルとなっており、マレーシアとタイの上場企業は他の国に比較して数が多く、その分、平均すると規模が小さめであると言えます。

個別企業を見ると、シンガポールの上位5社は、順に、DBS銀行(時価総額550億米ドル)、プルデンシャル生命(同550億米ドル)、OCBC銀行(390億米ドル)、UOB銀行(320億米ドル)、通信会社であるシングテル(290億米ドル)となっています。マレーシアでも馴染みのある銀行3社が上位を占めています。

タイは、タイ石油公社(305億米ドル)、タイ空港会社(270億米ドル)、電気のデルタ・エレクトロニクス・タイランド(216億米ドル)、小売りのCPオール(168億米ドル)、そして携帯電話のアドバンス・インフォ・サービス(165億米ドル)となっています。インドネシアは、セントラルアジア銀行(560億米ドル)、ラクヤット・インドネシア銀行(310億米ドル)、テレコム・インドネシア(220億米ドル)、マンディリ銀行(170億米ドル)、ジャゴ銀行(140億米ドル)となっており、銀行が上位4位を占めています。フィリピンは、小売りのSMインベストメンツ(230億米ドル)、複合企業のアヤラコーポレーション(95億米ドル)、BDOユニ銀行(95億米ドル)、マニラ電力(65億米ドル)、ジョリビーフード(45億米ドル)となっています。

ちなみに日本は、トヨタ自動車(2,816億米ドル)、キーエンス(1,447億米ドル)、ソニー(1,290億米ドル)、NTT(1,026億米ドル)、リクルート(992億米ドル)の順です。

<プロフィル> 神林義之(かんばやし・よしゆき)、ラジフ・ラムザン(Razif Ramzan)

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