The Daily NNA Malaysia版(2021年6月9日)に、弊社代表の寄稿した「会社・事業の買収・売却 第69回 会社の設立と会社の買収」が掲載されました。今回は、会社を一から立ち上げることと、会社を買収して事業を進めることのメリット、デメリットについてお話ししています。
前回まで6回にわたって、マレーシアにおける日本企業による出資案件を取り上げてきました。今回はやや趣向を変えて、会社を一から立ち上げることと、会社を買収して事業を進めることのメリット、デメリットについてお話しします。
マレーシアで事業を行うに当たって、主に(1)会社を自ら立ち上げる(2)ローカルと合弁企業(Joint Venture)を立ち上げる(3)既存の会社を買収する――の大きく3つの方法があります。それぞれの特徴、長所、短所は以下のように整理できるかと思います。

以上は、あくまでも3つの方法を単純化して比較したもので、ニーズによって重視すべき要素はさまざまに異なってきますし、ここに挙げたもの以外でも考慮すべき重要な要素はいろいろあると思います。
ただ、一つ言えることは、会社の買収には1年間くらいかかるのが一般的ですが、会社を設立しても実際に事業を開始するまでに要する時間を考えると、実は両者には大差がないか、むしろ設立してから軌道に乗せるまでの時間を考えれば既存の会社を買収した方が実は早いということも往々にしてある、ということでしょうか。
<プロフィル>神林義之(かんばやし・よしゆき)